野営地の焚き逃げやゴミの不法投棄の問題が取り上げられると、時折「メーカーがやるべきだ」と主張する声を耳にします。

しかし、普通の会社経営の観点から考えると、稼働には必ず大きなコストが発生します。

メーカーが動くためには、その活動を支えるだけの売上が必要です。

そしてその売上を支えているのは、実際に製品を購入する消費者であり、「メーカーがやるべきだ」と言っているその本人です。

ここで考えたいのは、本当にその人一人の経済力だけで、メーカーが動くためのコストを賄えるのでしょうか。

製品がある程度の値段になると「高い」と文句を言い、不法投棄などの問題が起これば「メーカーがどうにかしろ」と責任を押し付ける。

このような態度は、全ての問題を他人任せにしているように見えます。

自分という存在がその構図の中に無く、あくまで「誰かが解決してくれるはずだ」という他責の考え方に依存しているのではないでしょうか。

現実問題として、他人はタダでは動いてくれません。

もし誰かに動いてほしいと願うのであれば、まずは自分自身でその費用を負担して誰かを雇うか、あるいは自分自身が動くしかありません。

自分が行動を起こした結果、その行動に賛同してくれる人々や、メーカーが支援してくれることもあるかもしれません。

しかし、どのような形であれ、最初の行動としての発信源は自分自身でなければならないのです。

大切なのは、「何を言ったか」ではなく「何をやったか」です。

野営地を守り、より良いキャンプ環境を次世代に引き継いでいくためには、他人に責任を押し付けるのではなく、私たち一人ひとりが具体的な行動を起こすことが必要です。

言葉で問題を指摘するのも重要ですが、それ以上に、自分がどう動くかが問われる時代です。

たとえば、私たちキャンパーが率先して清掃活動を行い、マナーを守る姿を周りに示すことができれば、それは他のキャンパーや関係者にも良い影響を与えるはずです。

さらに、それが積み重なれば、地域や行政、そしてメーカーとも協力するきっかけが生まれるかもしれません。

最終的に、私たちが大切にしているキャンプフィールドを守るのは、他でもない私たち自身の行動にかかっているのです。

野営地の未来を守るために、今こそ自分から行動を起こしましょう。