最近、TwitterなどのSNSで投稿をすると、文章をよく読まず、コチラの事を何も知らずに批判してくる人がいて対応に困ることがあります。

単純に、「そういった行為は迷惑なのでおやめください。」と書こうと思いましたが、何となく社会現象的なもののような気もしているので分解して考えてみることにしました。

SNSは、短い文章の中に伝えたいことが盛り込まれているため、読む側の文章読解能力や他人の気持ちを鑑みる想像力などが求められます。
文章は、全体を通して一つのことを伝えたかったり、一つのことを伝えるために様々な表現を使って構成されるもので、更にその文章に至った前後の背景もあるため、文章の読み方を知っている人と、そうでない人では捉え方が全く変わってしまいます。
特に、文章の読み方が分からない人は、文中の単語一つを取って批判をしたり、一節だけで全体を語ったりしてしまう傾向にあるように思います。

例えるなら、酢豚の定食を頼んだ人が、定食全体を食べることなく、酢豚に入っているパイナップルだけを食べて「酢豚は不味い」「このお店は美味しくない」「フルーツはごはんのおかずにならない」など、その一点だけを取って、自分固有の常識と照らし合わせ、思いついたことを考えもせずに言ってしまうようなものです。
実際の酢豚はというと、仕込みの時点でパイナップルが入ることで、パイナップルの酵素でお肉が柔らかくなると言われていたり、しょっぱい味付けに甘味が加わることで味に厚みが出たり、酸味や食感の変化を付けることで飽きずに最後まで食べられるように計算されていたりする、とてもハイレベルな料理です。どんなことでも全体構成を理解しないまま評価をすることはできない訳です。
そうして、ある意味、パイナップルの恩恵を受けて全体が美味しくなっている事実を知らずに、その恩恵を受けている人自身がパイナップルを批判してしまうというおかしな事が起こります。

最近はこのように、物事の全体構成を理解する力がないために、短絡的な批判をしてしまう人がSNSで多数発生していて、無意味な批判や誹謗中傷を受ける被害者が続出しています。

私はこの現象を「パイナップル現象」と呼んでいます。

パイナップル現象のもう一つの特徴は、一昔前までSNSは匿名性が高いために、他人を叩いても、叩いている自分に対する反論、反感は気にしない人が多かったのですが、最近は、他人を批判するのは、フォロワーを増やしたかったり、人から注目されたかったりするという動機があるため、自分は嫌われたくないのに他人を批判したり、あるいは、わざと言葉尻だけを捉えて無理やり批判をして、他人を悪者に仕立て上げる事で自分が良い人だと思われようとしたりするところにあります。

パイナップル現象にある人は、自分が悪者と思われないように批判をするため「酢豚は好きだし、良い料理だと思うけど、パイナップルが入っているのは悪いことだ。」というような矛盾のある論調になってしまいます。
酢豚が好きならば、パイナップルの必要性を知っていたり、パイナップルが入っていても気にならない筈なのに、酢豚という料理がどういうものかも知らずにパイナップルだけを捉えて不自然な批判をしてしまうので、このような矛盾のある批判の仕方になってしまう訳です。

パイナップル現象の更に酷い部分は、パイナップル現象にある人は、悪意があったり、他人を悪く言う事で自分の実力以上の注目を集めようとする傾向にあるので、自分に都合の良い部分だけを切り取って

「この前行った飲食店でご飯のおかずにパイナップルを出された。」

といった形で拡散をするので、それだけを見聞きしたパイナップル現象予備軍の人が、元情報や前後の話を判断せず本気にしてしまい「この人が行った飲食店は酷い店だ!」と、真意を確かめもせずに、安易に批判に回ってしまう所にあります。

普通に考えれば、パイナップルが入っている酢豚を食べたくなければ、高確率でパイナップルが入っていると予め分かっている酢豚を、わざわざ食べに行く必要がありません。
という事は、最初から、意図的に酢豚やお店に「悪絡みすることを目的に」行っていることもうかがえる訳です。

悪意があるのであればそれは以ての外ですが、自分が良い人だと思われたい、注目を集めたいという理由であれば、他人を無理のあるやり方で下げて自分をよく見せるようなセコいやり方をしないで、自分の努力で人気や支持を集めれば良いだけのことです。

最近は、SNSが便利に利用される一方で、文章読解力や人の気持ちを慮る能力が全体的に薄れていっているような気がしており、そこに強い懸念があります。
自分と違う意見を持っている人に対し、自分は何もせずに、悪意だったり、自分の評価を上げるために軽々しくインターネット上で叩く事が当たり前ではなく、他人を無意味に下げることで自分を上げようとする行為がカッコ悪いことだと、誰もが正しく認識できる世の中になることを祈っています。

パイナップル現象がこれ以上蔓延しないよう、加害者の人も、被害者の人も、どうかお気をつけください。