ソロキャンプの健全な普及に努めます。

代表あいさつ

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日本単独野営協会は「ソロキャンプの健全な普及」を目指して設立された任意団体です。
個の集合体として日頃はソロキャンプの普及活動、各種キャンプイベント、清掃活動を中心とした野営地の保全活動などを行っています。

私が日本単独野営協会を起ち上げたのには2つの大きな理由があります。

私が学校を出て就職した時代は、バブルも弾け、その悪影響が顕著に現れ始めた頃でした。
世の中の景気は見る見る悪化し、周囲の企業は次々に倒産していきました。
私が入社した会社も当然のごとく、手当は完全にカットされ、給与はどんどん減り、ほとんど休みもなく、労働時間は限界を超えるまで伸びていきました。
若さゆえにどうすることもできない状況の中で、私は寝る間も惜しんで働かなくてはならず、心も体もボロボロの状態でした。

そんな辛い毎日を何年も続け、やっと自分で自由な時間が作れるようになった頃、たまたま自宅にあった原付のスクーターで、気分転換に、あてもなく遠くまで走ってみることにしました。
そして、気持ちの良い自然に囲まれた河原にたどり着き、学生時代、遊びすぎて帰ることができず、頻繁に野宿をしていたことを思い出しながら朝まで過ごしました。
学生時代の屋外で過ごしたあの自由過ぎる感覚が、疲れた心と体を癒やしてくれることを無意識に思い出し、自然に体が動いたのかも知れません。
それ以来、私は少しずつ一人で野営に出掛ける頻度があがっていきました。
 
それが私の本格的なソロキャンプ人生の始まりでした。

ソロキャンプは、私にとって自分自身を客観的に見ることができ、1人で過ごす時間にしか感じることのない気持ちに触れることで、今、自分が辛いと思っていることは、人生レベルで考えると、取るに足らないことだと気付かされたり、「休む」「楽をする」ということは悪いことではないのだと思えたり、焦って今すぐ何かを成し遂げなくても、生きていくことには何ら影響しないと気づくことができるなど、仕事で疲れ切った心と体に「癒やし」与えることができる素晴らしい趣味なのです。

しかしながら、ソロキャンプには少なからず世間からの偏見があり、当時、人に話すと決まって「友達いないの?」「さみしくない?」「怖くないの?」「危なくないの?」「変わった趣味だね。」と、何となくネガティブな印象であることが伝わる反応ばかりが返ってきていました。

一部の人にしか知られていないだけで、今も日本にはブラック企業が横行し、辛い仕事をこなし、人間関係もうまくいかず、その中で多くの方が精神的に追い詰められ、病気になってしまったり、中には不幸にも自ら命を断つことを選択してしまったりする人もいます。

私は、ストレスやプレッシャー、心の痛みを抱える人たちにも「ソロキャンプ」という素晴らしい趣味を知ってもらい、癒やされてほしい。それが偏見というハードルなく気軽に始められるように、ソロキャンプを一般的なレジャーとして誰でも思い切り楽しめるようにしたい。と強く強く思いました。
それが、日本単独野営協会を立ち上げた理由の一つです。

日本単独野営協会を設立したもう一つの理由として、私が野営地に行くと、毎回必ず「焚き逃げ」と呼ばれる、焚き火跡の放置や、ゴミの不法投棄が見られました。
マナーの悪い人が沢山押し寄せる野営地が焚き逃げやゴミの放置が原因で閉鎖になってしまったという話は毎年耳に入ってきます。
キャンプはキャンプを行う場所がなければできません。当然キャンプをする場所がなければ、ソロキャンプを一般的なレジャーとして普及させていくことなどできません。
私はソロキャンプを愛するキャンパーの一人として、この状況を何としても改善しなくてはならないと思いました。

その時私が考えたのは、マナーの悪い人がいることを嘆くだけではなく、批判するだけではなく、まずはとにかく「自らが清掃活動という具体的な行動をしよう」ということでした。

しかしながら、ソロキャンプには「一人」という弱点がありました。私一人がいくらゴミを拾っても、汚していく勢力には全く太刀打ちできなかったのです。

次に、私は「賛同してくれる人を集めよう」と考えました。「沢山の人の力で全国に清掃活動の輪が広がれば、いつか必ず野営地のゴミはなくなる。」「ソロキャンプを愛する人は世の中に沢山いて、必ず賛同してくれる。」と信じ、苦渋の決断ではありましたが「ソロなのに団体」という、一見矛盾とも思われかねない「日本単独野営協会」をあえて作りました。
スポーツの個人競技でも、それを支援する団体がある事を考えれば、むしろ自然なことではありますが、設立当初は賛同してくれる人がなかなか見つからず、一人で日本単独野営協会の旗を掲げて活動をしていたので、「変わり者」と白い目で見られたり、「ソロなのに団体って何だよ」と散々バカにされました。
それでも、日本単独野営協会は最終的には必ず世の中を変える団体になるという強い思いがあったので、外野の声を気にすること無く活動を続け、今では数万人規模で活動をすることができるようにまでなりました。

誰もが未来永劫ソロキャンプを楽しむことができるようにするためには、その活動内容とそれを続けるための方法を「後先を考えて」設計しなくてはなりません。

私は自分が設計した活動の歯車を、最初は自分1人の力で回し始めました。ただ、それをいつまでも続けることができないのは初めから分かっていました。人は最終的には必ず死ぬからです。
日本単独野営協会は世の中を変える活動をしているので、私が死んだ程度の事で止まるようなヤワな設計を最初からしているようではダメだと考えました。
だから私は初めから、自分が死んだ後の事も考えて、自分の力がなくても「自発的に」「永遠に」回り続ける日本単独野営協会独自の活動の歯車を設計しました。

日本単独野営協会の活動の歯車は、私が最初に回し始めたその瞬間から、自発的に回りはじめ、私が死んだ後もその回転が止まることはありません。

「誰か1人の力」や、「誰かだけができる必殺技」のようなものにすがって、属人的な活動をしていると、その力や必殺技が失われた瞬間に団体としての活動は終わります。
日本単独野営協会はそうしたリスクのあるピラミット型の組織ではなく、ひとりひとり無理のない範囲でできる小さな心掛けを沢山集める事で、大きな力を作り出し、何よりも確実な成果を生む、球体のような組織です。その球体の核となる部分にあるのは、人ではなく「ソロキャンプの健全な普及」という理念です。

世の中を変えることはただの理想論だという人もいますが、ジャンケンは勝つまでやれば最後に必ず勝ちます。負けることがあるとすれば、途中で諦めるか、時間に制限がある場合だけです。
私が死んだ後も、私から仲間、仲間から子ども、子どもから孫と続く活動に、時間の制限はありません。日本単独野営協会の活動や理念は理想論ではなく、間違いなく、確実に世の中を変えていくものです。

日本単独野営協会の活動の歯車が回り続けていれば、最終的に全国の野営地からゴミのポイ捨てや焚き逃げはなくなり、誰もがいつまでも綺麗で安全な野営地でソロキャンプを楽しめる世の中を作ることが必ずできます。

一刻も早くその日が来るように、まずは清掃活動を中心とした野営地の保全活動や啓蒙活動を行い、「世の中を変える団体」として更なる力をつけてまいります。

  

 

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